第3章 No.10 増え続ける要求

そして、平成26年度になって、文部科学省の現場担当者が H 氏に変わりました。同時にその補助事業を統括するトップの方も変わったようで、より厳しい調査が求められるようになりました。

具体的には、経理関係の書類の確認がより厳格に行われるようになりました。ここの共用施設では、金銭面、つまり経理面では三つの部署が関係していました。一つは私が所属していたセンターで、ここでは利用者の機器利用記録を管理し、業務上必要な消耗品購入業務を担当していました。次に研究支援センターという、研究者や技術者を事務的に支援してくれる部署があり、ここでは機器利用記録を元に施設利用料の請求書を発行していました。そして、経理課では、お金の出納業務を担当していました。

前年度までは、エクセル表で全体の収支を示して、調査時にはセンターで保管している利用記録書と物品発注・納品時の書類の原本を確認してもらい、そこからいくつかピックアップした書類について、他の部署で保管されている書類と照合する、という方法がとられていたようです。ところが平成26年になって、2013(平成25)年度の報告書から、経理課に保管されている出納関連の書類まで全ての原本の確認が要求されるようになりました。

第3章 No.9 補助事業の年間日程

私はそれまで政府に公的書類を提出した経験がなかったので、書類を作成するだけでも大仕事でした。12 月までに、前年度の報告書を提出し、年が明けてからは翌年度の事業計画書の作成が待っていました。その計画書を確か 3 月に提出し終えたと思ったら、その年の報告書の作成が待っています。確か、こちらは 4 月末が締め切りだったと思います。その後、「額の確定調査」の日程調整に入ります。調査は 6 月から 10 月の間で、丸一日かけて行われます。調査終了後は報告書の修正が何度か行われ、それが終わるとすぐに次年度の計画書の作成が待っています。

そしてその間にセンターを利用する方々にも対応しなくてはいけません。

思った以上に、この補助事業は大変な仕事でした。

第3章 No.8 プロジェクト自体にかかる負荷

補助事業の担当を引き受け、報告書を修正した際に、すぐにパソコンが固まってしまったのは、そこに何かしらのマイナスのエネルギーが掛かっていたためだと思います。最初の頃は、前任者である T さんの苦労の痕跡から生じるものだと考えていました。しかし今では、おそらく、もっと大きなものが関与していたのだと思います。

それが、この補助事業を考えた人々由来のものなのか、この事業に携わった多くの方々から生じたものなのかはわかりませんが、時間が経過するにつれて、この事業は益々大変なものになっていきました。

第3章 No.7 共用プラットフォーム

この補助事業は、大学などの共用施設を、違う大学の研究者や企業の研究者も利用できる様にしましょう、という目標のもと行われていました。行く行くは同じような分野の複数の大学や研究所が連携して、全国的にプラットフォームを形成していきましょう、という展望があり、同じ事業に参画している同分野の十大学の方々と意見交換を行ったり、生物系の展示会で一緒にブースを出展したこともありました。

他の大学で同事業の中心となっているのは、博士号を持つ方や、准教授レベルの方々ばかりです。おそらく科研費などの申請で国に書類を提出されてきた方々がほとんどでした。そのような先生方とお話しすると、「この事業の書類の作成や、額の確定調査はとても大変だ。」と仰る方々ばかりでした。

第3章 No.4 報告書の作成 その3

これらの作業は本当に大変なものでした。何とか救われたのは、体調不良で辞めてしまったスタッフが、報告書を時系列でファイリングしてくれていたので、どのような経緯で、報告書が訂正されていったのかを確認することが出来たことです。 “第3章 No.4 報告書の作成 その3” の続きを読む

第3章 No.2 平成24年度の補助事業の報告書の作成

この補助事業の報告書というものは、「額の確定調査」で終了するものではないようで、調査が終了してからその時提出した報告書をもとに、きちんとした整合性の取れた報告書としての体裁が整うまで、何度も何度も再提出を要求されるものでした。 “第3章 No.2 平成24年度の補助事業の報告書の作成” の続きを読む